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金儲けに?
ヴァンパイアは飢えを満たす為に人間を幻惑する。日々それに努め、人間と睦み合う。ヌシはその男達の喘ぎに歓喜し、愉悦に浸る。となると、飢えに負けまいとした男の行為はヴァンパイアの道理に背く。だとしても、ヌシが喜びに酔い痴れていたのは事実だ。精霊の肩入れがなければ経過観察のような暇潰しに変えたりしなかっただろう。それも男から見れば何もすることがない状態に追い遣られたとなる。
「あいつ……」
それでアスカは聞いた。男が無為に過ごしていたとは考えにくい。
「何してた?」
「うぅん」
フジは重苦しく唸ってから、アスカの質問に答えた。
「人間を幻惑する皆さんのように時間を有効に使ったよ、人間相手に金儲けに励んだんだ、ナギラさんは代表の商才を、武事に秀で、文事に優れるのが領主と、そう言うけどね」
フジの口調には苛立ちがこもっていた。男の商才になのか、ナギラの領主談になのか、そこに見せたフジの不満がアスカには意外だった。
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