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野郎がキイで?

「っうことで……」  アスカはわざとらしく視線を下げてフジを見た。もう少しフジから情報を仕入れたい。そう目論んでの行動だったが、失敗した。フジの眩し過ぎる笑顔は溌剌として、話せることは話し終えたという達成感を思わせる。つらつら思い耽っていたアスカの邪魔をしないといった殊勝な心掛けの〝待て〟をされていたようにも見えるが、きつい口調で続きを促されたくないのは確然としている。 「ったく」  これでは変態フジの方がご主人様だ。その悔しさもあって、アスカはフジも乗りそうな話題がないものかと記憶を探った。ヴァンパイアのクソ忌々しい噂でも、後々には重要な情報となるかもしれない。それでふと気になったことを聞いてみた。 「そういやぁ、あんた、クソガキが名付けたの、三人っつったな?野郎がキイで、執事の爺さんを変異させた奴がアカ、っうと……」  話としては無難だったようだ。フジは明るく元気に迷いもなく答えた。 「うん、アオさん」

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