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朝まで?

「任務遂行!」  そう間を置かずに叫んだ。単細胞は乗せやすい。男の側役としての矜持を刺激するだけで思うように動かせる。人気ゲームの主人公の微笑みも、キンキラな輝きが邪魔をしてよく見えなくなった。ろくでもない噂をだらだらと話したがる精霊らしさは、今のアスカには上等ということだ。 〝うむうむ〟  ヤヘヱは胸を張るかのように光の粒を大きく弾ませ、まったりと得意げに喋り出していた。 〝前世紀初頭のことなり、我らが殿が建立せし屋敷、異国なる造作にて……〟  ヤヘヱにとって話の中心は常に腐れ男だ。変態屋敷の概略から入ることも、アスカには理解出来る。それに唆した責任がある。朝まで付き合うと腹を決めたが、フジにはその覚悟が持てないようだ。俯き加減でもじもじし始めていた。 「ん?」  アスカはすぐに特別調査を思った。仕事相手は人間だ。不眠不休が得意のヴァンパイアでも時間に縛られる。この調子で朝までヤヘヱに喋られては困るのだろう。

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