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声を限りに?
「うふっ」
〝にひっ〟
フジとヤヘヱの反応に、アスカは顔を顰めた。何をどう間違えたのか、威圧的に睨んだ程度では二人を怯えさせるには至らなかった。怒鳴ったところで同じことだ。二人には―――特にフジには素直に怯えてくれそうな気配が全くない。
「ああ、クソっ」
アスカは打つ手のなさに悶々とし、苛立たしげに呟いた。むすっとしてみても埒が明かない。怒りに目を吊り上げようが、惨めになるだけだった。おまけにフジの明るく元気な声音を耳にして、とどめを刺されたような気分にさせられる。
「そうだ」
フジには聖霊達のクスクス笑いを思わせる楽しさで続けられてしまった。
「近いうちにナギラさんも誘って、町内会発足に向けての会合をしようね」
「ちょ……ない、かい?」
本気なのか冗談なのか、形ばかりに悩んでみても答えは知れている。それでもアスカは聞き返した。そして次の瞬間には声を限りに怒鳴っていた。
「クソったれが!なめてんじゃねぇぞ!」
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