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俺が先だ?
「ってことで……」
アスカは水の精霊にシャワーを浴びるのは朝にすると告げて、自室に戻った。今後どうするのかも朝になって考えることにして、ベッドに倒れ込む。相当疲れていたようで、慣れない静寂も気にならない。瞬く間に寝入っていた。
〝み……つき〟
名前を呼ぶ声にはっとしても、クソマジにヤバい響きで聞いたことで、その声をアスカの意識は夢と捉えた。夢の中では自由だ。頬を滑るひんやりした感覚に震えようが、冷たい息遣いに興奮しようが、精霊達に知られることはない。目覚めた時には悲惨な事態になるのは避けられないが、夢の中では好きに楽しめる。
「ならさ」
どうせ朝には惨めになるのだ。目くるめく愛欲の炎の準備運動といった気分で、裏切り者でも可愛いアソコを未知なる喜びへと旅立たせてやろう。そう思って夢に囁く。
「俺が先だからな」
小声でもそこは譲れないと断言したアスカの意識に、蕭々とした笑いが低い声音でしめやかに響いていた。
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