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アレもイケる?
「けど、暇だしな」
次のパンチをかわすにも、下っ端の動きがのろのろ過ぎて時間を持て余す。次なる攻撃に振り上げられた腕が到達するまで、ひたすら待つというのは苦痛なものだ。
「もうちょい、やるか」
アスカは退屈な時間を利用して、人狼の興奮と瞳の色との繋がりを探ってみることにした。狼を巨大化して二本足で立たせたような下っ端を見遣り、いい具合に瞳が覗ける位置に移動し、今更ながら驚く。
「てか、こいつのは……」
薄い茶色だった。黄色みを帯びる手前といった色合いで、きりりとした美丈夫な顔立ちにあった幼さが、瞳の変貌にも関係したような色彩だ。精霊達の噂に嘘がないのと思い合わせればそうなるが、パンチをかわされても襲い続けるのからして、間違いない。
「これって子供の癇癪か?」
それでわかった。人狼は興奮を引き金にして変身するが、何で興奮するのかは人狼の気持ち一つということだ。要するにショック死させないのならアレもイケる。
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