391 / 814

床にぺたりと?

「ふふん」  アスカは満足げに鼻を鳴らした。心とアソコの釣り合いは大切だ。乱れていては落ち着かない。相手に隙を与えることにもなる。腐れ男の時には見事に裏切られ、男の好きにされてしまった。それも目くるめく愛欲の炎の為となればご愛嬌と思えるが、目の前に立つ肉の塊にはそういった楽しみは何もない。というより、肉の塊がアルファと確信した時から、巨体への腹立ち以外に感じるものは何もなかった。 「で?」  こうして普通に話せるのは、アルファの登場を喜んだ聖霊の気紛れに、時間と空間の歪みが直されたからだ。朝の明るい日差しも平穏で、さっきまでの騒ぎが嘘のようだが、現実となるとそう穏やかとは言えないでいた。視界から瞬時に消えた下っ端のことを忘れてはならない。アルファが言った〝申し訳ない〟も、そこに重なる。 「そいつ、どうすんの?」  下っ端は哀れにも床にぺたりと腹を付けた格好で、アルファにつるんとした尻を踏み付けられていた。

ともだちにシェアしよう!