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メールにあった?

「あんたら人狼にはさ」  冗談めかそうと、似合いもしないのに、細めで掠れている声を小憎らしいフジに似せて明るく弾ませ、話して行く。 「敵みてぇな野郎……ってな?」 「敵という程ではないが……」  アスカのふざけた調子と違って、アルファは硬い口調で返している。リンが誰に惚れたにしても、アスカに嫉妬をするのはお門違いだ。冗談にして終われるはずの話なのに、アルファは飽くまでも真面目に答えていた。 「認められないだけでね」  言ったあとで唇を苦々しげに歪ませ、人狼としての思いよりも個人的な思いの方が勝っていると、そういった恨みがましさも匂わせていた。 「ってことは……」  アルファは本気だ。アスカと一緒に冗談にしようという気が全くない。そこに気付いたアスカの頭にすっと浮かんだのが、フジのメールにあった追伸部分だった。 〝思うに、代表は『人間外種対策警備』と張り合いたいのでしょう〟 「クソっ」  アスカにはそれしか言葉がなかった。

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