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違った?
「っうと……」
聖霊達は噂に貪欲だ。アスカがパシリにされたのも、裏で彼らがヌシに加担したせいと言えなくもない。モンスター居住区で何が起きているにしても、噂好きな彼らにすれば、主役と脇役が織り成す艶話で終わらせるにはもったいない状況という訳だ。
「わかるぜ、調子に乗んのもさ」
精霊達のすることに、一々怒っていては身が持たない。それに脇役を抜きに楽しまれるのは、精神衛生上、アスカにも非常にいいことに思えた。脇役らしく奔走させられようが、三者の愛憎活劇においては一等の見物人でいられる。
「最高じゃね?」
〝代表!〟
〝アルファ!〟
〝ヌぅぅシぃぃ〟
呟きに呼応して再生される彼らの声には苛立つが、アスカの気分は悪くなかった。聖霊達はヌシの変態屋敷と同様に、『人間外種対策警備』のビルにも近付かない。人間の物に宿って入り込もうが身を潜めている。彼らの声は記憶の再生で、呟きへの追従でしかない。
「だろ?」
しかし、違った。
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