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中に潜む激闘?
「ふざけやがって!」
精霊を相手に怒鳴る虚しさは、彼らとの付き合いに付随する厄災であり、その苦労となると、この世の誰にも理解してはもらえないことだった。ヤヘヱもそうした厄災の片割れだ。腐れ男に仕えるはぐれ者であっても、人間が作り出した物に宿る精霊というのに変わりはない。〝ウフフクフフ〟と笑い合う精霊達のように、怒鳴られるのにも慣れてしまえば、自由気ままな憎らしさを見せ始める。それも男に甘やかされ、可愛がられている分、厚顔で始末が悪い。
〝いぎゅゅっ〟
意味不明な叫びにも、あからさまな甘えを感じさせる。声の調子からして、男の優勢を思わされるが、アルファの攻撃も相当なようで、意味不明ながらも悔しげな叫びが合間に入る。
〝うにゅぐっ〟
「ったく」
アスカもヤヘヱには嫌みったらしくこう続ける他ない。
「よくやるぜ」
そして異様に眩しいホールを眺め遣り、閑散とした中に潜む激闘を思い、一人寂しくフードの奥で苛立った。
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