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カフェの駐車場?
モンスター居住区の一部区域が観光化されたことで、人間の出入りが日増しに増え、最近ではモンスターに仕える者達以上に、アスカの客のように町に金を落としてくれる人間の姿が目に付く。とはいえ、休日ともなると物見高い客達で結構な賑わいを見せる中心街も、観光用の宿泊施設がないこともあって、平日の今日は静かなものだった。
モンスター居住区はモンスターの町だ。彼らに雇われたがる人間はモンスターを崇拝してやまない。人間外種に登録変更した能力者も人間だが、モンスターと同等の権利で生きている。観光客のように騒いだりしない。
「っうか……」
平日の静かさは交通手段が原因と、アスカは思っている。アスカの両親がそうするように、モンスター居住区に乗り入れるには車を使う以外に方法がない。個人で車を出す勇気のない人間向けの日帰りバスツアーに人気が集まるのも、そのせいだ。カフェの駐車場にはバス専用の駐車スペースまで用意されていた。
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