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笑いを抑えた?

 ヤヘヱがどう出るのかには、大して関心はなかった。案内係に導かれて歩くアスカの肩先に居座り続けるのも、想定内のことだ。ヤヘヱは丸太小屋風の素朴な造りに合わせた穏やかな色合いの明かりを受けて、鈍い輝きでもって地味に煌めいている。その煌めきが緩慢に揺れるのを見て、威張りたがりのジジイが踏ん反り返っているように思えても、アスカは腹を立てないでいた。 「ヤヘヱさんよ」  むしろ面白がって、からかうように話し掛けていた。 「なんかさ、いい感じじゃね?」  ヤヘヱはおとなしく付き従うアスカに気を大きくしたのだ。ここぞとばかりに威張り腐っている。小心者の癖にと思うと、傲然とした煌めきがアスカにはおかしくてならなかった。 〝うむ〟  またもそう偉そうに答えたのからして、ヤヘヱはからかわれていることに気付いていない。それをさらにつつくのは、さすがに気の毒と、アスカは初めて直に目にしたカフェの様子に気持ちを向けて、笑いを抑えた。

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