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あんたもかよ?

「けど……」  ヤヘヱをどう乗せるのかは、アスカにもはっきりとしていない。兎に角、甘やかして自惚れさせるというのはわかっているが、フジのように手際よく操れもせず、腐れ男のように好き勝手させるのも無理な話だ。 「っうと……」  モンスター居住区ではまずしないことを見せるしかないと、アスカは思った。 「……だな」  呟くと同時にフードを背中に払い落とし、薄暗い部屋に母親似の女顔を現した。自然界の聖霊がもたらす光を受けて、母親似の可愛らしさの上に、豪気な気質が内在する優美な気高さがあるのを、アスカは知らない。理想に程遠い顔を晒す行為は特別で、ヤヘヱのご機嫌取りにも十分と思っている。だからこそ、案内係が男の無表情と同等の強堅としたにこやかさを崩し、驚きの声を漏らしたことは、美と行動が釣り合わないアスカには嘲笑としか映らなかった。 「ったく」  アスカは女扱いされた日々を思い、惨めな気分でむすっと続けた。 「あんたもかよ」

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