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鷹揚に腰掛けた?
〝うむ〟
そう即座に返されても、アスカは腹が立たなかった。反射的に返されていた時と同じことなのに笑えてしまうのは、明確な意思を持った口調で臆面もなく言われたからだ。それがアスカにはおかしくてならなかった。
ヤヘヱが何より大切に思うのは腐れ男だ。次は自分自身で、あとは配下と見なす者達が等しく並ぶ。その一人から不躾な物言いでも〝最高〟と称えられたのだ。これでどういった場所においても威張り腐っていられることになる。加えてその一人が精霊と渡り合える能力者というのでは、舞い上がりもする。何を思って称えられたのかを気にして、巡り来た喜びをふいにしたりはしない。肩先に鎮座し、あたかも踏ん反り返り過ぎて転げ落ちそうな角度に揺れる煌めきを見てもわかることだ。
「おいおい」
アスカは呆れたあとで嫌みったらしく付け足した。
「喜び過ぎじゃね?」
そして大股で椅子へと向かい、ロングドレスが許す範囲で足を開き、鷹揚に腰掛けた。
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