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どう時間を潰す?
自然界の精霊が入室を許す者達の筆頭を言うのなら、腐れ男になるだろう。男はヴァンパイアに変異したのちも人間の生き血を吸わず、精霊の精気で生きている。人間であり続けようとした男の愛と信義に感動し―――といった綺麗事はさて置き、干からびているはずの容姿を美しいままに維持する役目を、聖霊は担ったということだ。要するに、アスカだからこそ知れる言葉にされない精霊の本音に意味がある。
「っうか……」
アスカも聖霊の思いを否定はしない。アソコも震える色男だ。男を個室に囲い込み、格調高い椅子に縛り付け、絵になる美貌を存分に楽しむくらいは幾らも許す。それも男の気持ちを考えないといった条件での許しではあった。
カフェには男が食せるメニューはない。輸血用の血液で事足りることも、男には唾棄される。椅子とテーブル以外何もない部屋でどう時間を潰すというのか、大いに疑問で悩まされるが、そこはヤヘヱにも同じことが言える気がした。
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