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精霊の興奮?
〝わたくしを思うのでありますれば……〟
さすがは精霊が仕掛けたことだ。アスカには逃げ場がない。明るい調子で続けられる細く柔らかな声に耳を塞ごうにも、自らの能力に阻まれ、最後まで聞くしかない状態にされる。それでも我慢がならないと抵抗するのがアスカであり、能力の停止は無理としても、この腹立たしさを聖霊に見せ付けることは可能と思う。
「で?」
アスカは細く柔らかな声が意味深に空けた間を狙って問い掛けてみた。
「どうするっての?」
声は魂の記憶だ。話し掛けても報われはしないが、気にせずに言葉を繋ぐ。
「聖霊のクソったれは黙っちゃいねぇけどな、野郎に……」
そこで細く柔らかな声と、アスカの細めで掠れている声がぴたりと重なった。
〝麗しきかたちを戯れなされませ〟
「変顔でもさせるってか」
次の瞬間、個室に溢れる光が眩しい程に煌めいた。仕掛けた罠にはまったアスカに興奮する精霊の歓喜によって、煌めきが踊り騒ぐように弾け飛ぶ。
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