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無言のお遊び?

「……っ」  本当のところ、アスカは格調高さが鼻に付く丸テーブルを蹴り飛ばしてやるつもりでいた。その勢いのままに立ち上がり、聖霊の煌めきを手刀でもってばっさばっさと薙ぎ払い、追い打ちを掛けるように怒鳴り付けてびびらせる。しかし、現実は厳しい。奥歯を噛んで耐え忍ぶことしか出来ないでいた。 「っっ……っ」  人間種社会で暮らしていた頃、自然界の聖霊もアスカの乱闘に大興奮したものだ。ここでアスカが暴れでもすれば、尚もって光を弾けさせるだろう。そうさせない為の忍耐だった。  自然界の聖霊は高貴なだけに、付き合いづらさも持ち合わせている。人間の恐怖がモンスターに集中したせいで、機嫌良く過ごしてくれてはいるが、閑人生活に飽きて来ると、暇潰しとばかりに唐突にアスカをからかい始める。彼らの無言のお遊びには頭が痛い。うるさく喋りまくる精霊達が、はぐれ者のヤヘヱも含めて、言葉が聞ける分、わかりやすくて好ましいと思える程だ。

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