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愛に終わりは?
「チヲカテトスルモノを生かすは、強き思い」
アスカの読みは当たっていた。
「私とて、我が御台への思いによりて生かされておる、そのこと、ヌシが君の意識に悪さをし、見せたであろう私の変異で承知よな」
男は独り静かに、哀痛に煙らせる目を棺に落としたまま、笑うように話を継いでいた。
「変異は果報、偽りなくば報われる、だが、変異に願うた思いに囚われる、恨み、妬み、愛であろうが、離れ難く、成就せしのちも、心を苛む、ヌシが求めるはそれなり、御台の死を隠し、人知れず荼毘にふしたとなれば尚更ぞ、故に、この身にかかずらいし精霊どもが、これなるまぼろしを私に与えた、生きているが如しの姿でな、無用と申しても聞き入れぬ、精霊どもが私の意に沿うたは、こうして棺を運び入れた時にぞ」
それをまぼろしと言おうが、麗しい〝癒し〟に向ける男の思いに嘘はない。囚われるとは呪われることでもあるのだ。男の愛に終わりは来ないという意味にもなる。
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