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共に息絶えた?
家臣は焦った。謀叛に加担した兵も次第に離れた。落武者と成り果てた身を恨めしがり、男を見付け出すのを生きるよすがとした。男との日々に思いを巡らせ、懇意にしていた商家を糸口に、そこに御台と呼ばれる女がいるのを探り当てた。
家臣は男をかたった手紙で女を呼び出した。女は誰にも告げずに一人で抜け出し、手紙を手に呼び出された場所へと馬を走らせた。女は男の名前を叫んだ。声に応えて家臣が姿を現した。驚く女を押さえ付け、ざんばら髪を振り乱し、男の居場所を言えと詰め寄った。
〝知りませぬ!〟
その時、アスカは男の話に呼び寄せられたように響く細く柔らかな声の叫びを脳裏に捉えた。
〝知っているのであれば、ここになど、参りませぬ!〟
同時に、怒りを爆発させた家臣のひび割れた声を聞く。そして―――。
〝そなたが憎い!そなたさえおらねば……!〟
腹の子と共に息絶えたと語る男の声に被さって、家臣の刃に掛かった女の悲嘆な思いを感じ取る。
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