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パシリついでに?

「面倒臭ぇ」  アスカにはそう思えてならなかった。男の勝ちは決まっているのだ。友情だった女の気持ちをちゃちゃと告げて、アルファに諦めさせればいいものを、いつまでもガキのように争い続けている。  女がアルファと親密に過ごした日々は、二人だけの思い出だ。むかつこうが、男が人間のうちはどうすることも出来ない。認めるしかなかった苛立ちも、同じモンスターとなれば遠慮はいらない。男はアルファと戦い続けることで積年のむかつきを解消していた。アルファにしても男に挑み続けるくらいだ。今もって女に執心している。女の願いもそこにある。ガキの喧嘩をアスカに止めて欲しいのだ。 「ったく」  モンスター居住区で人生を新たに楽しもうという矢先に、また一つ、とんだ厄介事を頼まれた。それでも今回は女に代わって友情への感謝をアルファに伝えるだけで済む。ヌシのパシリついでに終わらせられる。未だ方法がわからない魂の解放に比べれば楽勝と言えた。

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