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男の力量は格上?
聖霊達も裏切り者のアソコと同じで男の側では我を忘れる。実体のない彼らはアソコのようにぴくりといった行動で愛を示せないが、代わりに鬱陶しい程にキャッキャキャッキャと騒ぎ出す。男の笑顔はそうした精神構造を踏まえた上でのことにも見えていた。
〝小雀どもに付き合うたりはせぬ〟
彼らは全く相手にされていない。それなのに男の美声に酔い痴れている。人間であれば余りの快感に言葉もないといったところだろう。つまり急におとなしくなったということで、それを男が声音だけで成し遂げたのでもあったのだ。
アスカならやんややんや騒ぎ立てる精霊達に声を張り上げていた。成功したためしがないにしても、静かにしろと怒鳴っていたはずだ。そうなれば男そっちのけで遊ばれることも理解する。腹立たしいが精霊達に対する男の力量は格上と認めるしかない。
「ったく」
アスカは称賛と共に顰めた顔を緩めた。それでもやはり真似の出来ない悔しさで男を見遣った。
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