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無理やり納得し?
ただし武術と策謀にたけ、諦めずに戦い続けられること―――アスカにはそういった条件が必要に思えたが、奥ゆかしくも口にしないでいた。男が苛立ちに映した感情は自信だった。とするのなら、身内の異常な偏愛に倒されたとあっては、男も耳にしたくないはずだ。
「けど……」
男は強靭な家臣団を作り上げ、領地を守り、さらには広げた。戦う目的に天下がなかったと、一概には言い切れない気もする。それでアスカは素直に聞いた。
「あんた、何の為に戦った?」
「何の……?」
そこで不意に男の声音に甘さが漂う。
「もちろん、生き延びて、平穏に暮らす為に……」
そして殆ど声にならない囁きで〝君と〟と言った。
「な……っ」
アスカは思わず聞き返しそうになったが、すぐにやめた。男の言葉は全て女の為にある。確かめるような愚を犯したくもない。男は守ると決めた者達を守り抜く。つまり平穏も領民を思ってのことだと、そう無理やり納得し、アスカは話題を変えた。
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