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同等の憎らしさ?

「っうか……」  フジはあれで結構保守的と、アスカにはそうした風にも思えている。アスカの父親が良心的で有能と評した通りに勤勉で仕事熱心な代理人というのもだが、封建制を体現するような男を父親と慕うその熱情でヴァンパイアに変異し、言葉遣いに甘えを見せても、主従関係から逸れることなく誠心誠意仕えている。ムチ姫の〝しもべ〟になるような変態でも、そこは影響しない。男が認めた上での趣味であり、自由さでもあるのだ。 「で、奴は……」  リンはフジに相手にされず、ペアルックも内緒でしか出来ないことになる。時代の変化は人狼とヴァンパイアに繋がりを持たせたが、フジを振り向かせるには至っていない。報われない恋心は苦しいものだ。可愛がられているとしても、未だ子犬扱いでは不満が溜まる。ムチ姫憎しでアスカを殴り倒したくもなるだろう。それと同等の憎らしさが青年に向けるリンの微笑みにあるように、嫌みな気分でアスカに感じさせもする。

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