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闇による奇怪な?
「精霊どもに……」
伝説ともなった財宝―――つまり黄金を思ってにやつくアスカが、男には新種の化け物に映ったのかもしれない。男は平坦でありながらも、微かな苛立ちを持ってこう話を継いでいた。
「借財の概念がない故、利子を付けての返済を認識させるに手間取ったがな」
「ああ、だな、わかるぜ」
精霊との問答はアスカも発狂しそうになる。しかし、アスカを素直にさせた理由はそこにはない。苛立つ男は危険だ。恐怖ではなく、気にしてしかるべき状態ということだ。またも瞬間移動で見知らぬ場所に運ばれてはたまらない。ここは逆らわず、同情心一杯に頷いてやるのが得策となる。
それに男は利子を付けての返済を精霊に認識させるといった偉業をなした。というより、精霊が婉然とした美貌と甘く艶やかな美声に誑し込まれただけの気もするが、何にしても闇による奇怪な貸与は了承され、天下人の名を冠する時代に始まる伝説も生まれたと、そうアスカは理解した。
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