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男に邪魔を?
「上等っうと……」
アスカには人間種社会での喧嘩三昧の人生が思い出されて来る。気弱で可愛い息子との二重生活ではあったが、それ相応に楽しんでいたのだ。しかし、楽しいからといって、そうそういつまでも続けられることではない。この先の人生を考え、精霊に勧められもして、高校卒業後はモンスター居住区で暮らすことを決意した。ところが平穏で心安らかな暮らしを求めての移住も、男が占いの小部屋に現れた時から一向に思うようにならないでいた。
あの美声にのぼせたアソコが悪いのはわかっている。それに乗っかった自分をアスカも否定しようとは思わない。穏やかに暮らすだけではつまらないことに気付かせてくれたのだ。ありがたくはある。とはいえ、自分のケツは自分のものだ。アソコの熱望と背離しようが、頼まれ事をささっと片付け、男以外の新たな楽しみに邁進するべく予定を立てた。というのに、昨日も今日も図ったかのように男に邪魔をされている。
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