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アスカはすっくと?
本音を言えば、アスカも男が何に腹を立てたのかを問い質したいところではあった。敢えて我慢したのは、その話題に触れない方が無難に思えたからだ。それにさくっと逆らうように終わらせたことで、馬鹿にされた悔しさに苛立つ必要もなくなった。
「てか……」
相手の意向に沿って全部さらけ出すのがどだい無理な話なのだ。それを男にだけ強要するのは公平と言えない。
「っうと……」
ここは冷静に、しかも強気な態度で立ち去るのが粋というものだろう。しかし、自然界の精霊の中でも、気紛れさが最たる風によって作られた雲の上にいるのだ。軽率に動くことは危険極まりない。それでも愚図っていては野暮ったさが増すばかりで、落ち着けない。加えて男を刺激してやりたくもある。この条件下で素早く慎重に動くとなると、アスカの行動はただ一つに限定される。そこに思い至った時、アスカはすっくと立ち上がっていた。そして地上へと嫌みったらしく視線を向けていた。
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