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想像するにぞっと?
「あのように」
光り輝くモーニング姿に隠されているが、ナギラの本質は武闘家だ。そこをアスカに見抜かれたと気付いたのかもしれない。
「ヌシは事あるごとに糧どもを寄こします、そのたびにご領主様は……」
そう続けたナギラの口調に、不意に微笑み以上の余りある穏やかさが漂い流れた。まさにお仕着せ姿のテディベアのようなふわふわ感に満ち満ちて、アスカにすれば背筋が寒くなる程の声音だったが―――。
「糧どもを車に放り込み、諸共に片手で持ち上げ、瞬時に送り返しておられます」
何のことはない、男の雄姿を思い出してのことだったと理解した。ご領主様と呼ぶくらいだ。魅了されるのも仕方ないと認めはするが、面白くはない。それでアスカは糧が車で来ていた話に気持ちを向けた。同乗させてもらえたのなら屋敷を抜け出せる。しかし、男に持ち上げられた状態での瞬間移動を想像するにぞっとし、かくしてその考えが唾棄すべき行為と知らされることになる。
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