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秘密は糧にも?
〝特別〟がアスカを意味していようとも、ヌシが言葉の裏で精霊を当てこすっていたのは確かなことだ。それ程に精霊の加護を受けた男の言動は、変異させたヌシにも興味の尽きない話題となる。それが理由で、精霊がナギラの求めに応じて精気を与えたと知った時に激怒したというが、男が異端となっても逆らえないままといった事実に怒りを収め、逆に初めての状況を楽しみへと変えていた。嫌がらせはその為にあり、アスカが現れたことで頻度が増すのも当然と言えていた。
「てか、クソガキの性格を思ったら……」
そうしたことに気付けるはずも、目の前の二人にはわからない。ヌシが内々の秘密を懇切丁寧に教える道理がないからだが、お陰でアスカは別の秘密を思い出せていた。
「まっ、なんっうか、あんたらはクソガキにとっちゃ……」
内々の秘密は糧にもある。糧の首筋には一生消えないとされる紋章―――ヴァンパイアにしか見えないキスマークが付けられているのだ。
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