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男をも叱り飛ばす?

「……っ?」  男のびくともしない力で、安定感たっぷりに抱きかかえられていたのもあって、その時のアスカは片方の腕を邪魔臭げに手前に置き、もう片方の腕を外側にだらんと伸ばしていた。腕時計はその手前の手首にはめていた。当然のことに、ヤヘヱの煌めきを目にしていたが、控えめに煌めいていた為に気にしないでいた。しかし、叫ぶと同時にやたら眩しい光の粒を、意気盛んに鼻息荒くといった調子で跳ね散らかされては、黙っていられない。 「てめっ!」  それで脅すように返してやったが、跳ね散る光の粒に変わりはない。アスカには小心者のくせに威張りたがりにしか見えないことも、男に甘やかされまくるヤヘヱには正義となる。自らを男の側役と豪語し、アスカを配下とするような図々しさも、そうした思い込みから来るものだ。とすれば、アスカは眩しくともヤヘヱの煌めきから目を背けてならないことになる。甘やかす男をも叱り飛ばす勢いが必要ということだ。

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