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使えんだぞ?
「で……」
睨まれるのを期待したのか、男の表情が困惑に翳り、悩ましさも浮かんで、何とも妖艶なものに変わった。これではアソコが張り切り出す。時と場所をわきまえさせる為にも、気を逸らす必要に、アスカは迫られた。
「ったく……」
面倒臭げに呟き、アソコも萎える肉の塊へと視線を移す。そしてロングドレスの縫い目が裂けているのを幸いと、マントを大きく翻し、男らしく大股で歩き出した。
「で……」
肉の塊に――アルファに視線を定め、繋げるつもりだった言葉を口にした。
「どうすんの?」
ヌシをハブる。これは決定事項だ。ヌシとの関係を知った今、アルファから願い出たのもわかる気がする。男にしても自力で収束させる自信があったのに、謀反を起こした家臣の転生者が現れたことで、そうも行かなくなった。転生者は男の子孫を名乗る一族の青年だ。優秀な霊媒でもある。そこに思いを巡らせ、アスカは続けた。
「人間外種登録変更、あいつにも使えんだぞ」
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