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疑いを見出す?

 アルファの言葉通り、青年の物言いはまさに自信満々といったものに響く。それを少しずつ挑発するかのように微妙に変化させて行ったのは、ただ黙って聞き入るアルファを訝しんだからかもしれない。 〝あの魔女君……〟  そこには僅かとはいえ苛立ちが浮かぶ。それがアスカには焦りにも聞こえた。 〝人間には本物に思えても、こちらの方々には落ちこぼれの用なしなのだとか?〟  魔女は仕事上の装いだ。能力者としてのアスカは霊媒に位置する。霊媒であれば浮遊する霊の浄化はもちろん、守護する側の霊視も普通にこなす。さらには今生の魂に働き掛けて、前世を聞き出せたりもする。ところがアスカにはそうしたことが何一つ出来ない。落ちこぼれの用なしに見合っていると、世間では全く疑問に思われていないが、そこを不思議に思う辺り、青年が如何に優秀であるかを証している。 〝面白いですよね〟  そして優秀であるが為に、疑問に思われていないことにも、疑いを見出す。

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