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あの二人?
「クソっ……」
ヌシの話が事実なら、アスカ一人が馬鹿を見たことになる。過去を聞き知ったのを思い悩んで気遣っていたのに、実際は男とアルファの仲良し二人組に踊らされていたというのだ。精霊のお節介を当て込んでの所業なのだから、尚もって腹立たしい。
「……たれがっ」
アスカは並んで立っていた男とアルファの神妙な様子を思い出しつつ、同時にヌシの話に納得する自分に苛立った。そして精霊のお節介ぶりも含めて、仲良し二人組にいいようにされた悔しさのままに続けた。
「ハブられたんは、俺じゃねぇか」
「僕と一緒」
ヌシは瞬時にそう返し、やたら子供っぽい口調でおかしそうに話を継いだ。
「けど、キイは僕の許しなしに話せないし、あの子も自分の口で言いたくない、そんなところでね、お兄さんを連れ出すこと、決めたみたいだよ、ホント、嫌んなる、あの二人、マジ嫌い合ってるのに、いざとなると手を組むんだもん、精霊だって味方したくなるじゃんね」
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