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アスカは意地に?

「だから……」  アスカがチヲカテトスルモノの祖の思いを察知したのが、見えていたのだろう。ヌシは心なしか声を掠らせ、嘲笑するかのように続けていた。 「義兄弟ってのは、まぁまぁ合ってるね、でも……」  そこで可愛らしく微笑まれたのだ。何を言われるにしても、ろくなものでないのはアスカにもわかった。 「僕を弟にって、ホント、嬉しいんだ、だけど、無理だよ、だって僕、お兄さんより長く生きてるでしょ、弟なんて、くすぐったくてなれないよ」  アスカは顔を引きつらせた。心にもない台詞にむかつくが、耐えてみせた。ふざけた物言いに腹が立っても、とりとめなく続くヌシの話に惹き付けられているのは事実だ。ここで怒鳴って、話の腰を折るような無粋な真似はしない。 「あはっ」  アスカがむかついた分だけヌシには喜びとなるようでも、踏ん張ってみせた。自分を弟と位置付けてしまえるヌシの不埒な厚顔さに負けはしないと、アスカは意地になって思っていた。

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