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すぐに気持ちを?

「だけど僕には、っていうか……」  アルファと―――弟と同じ時間を生きて行けるのなら、ヌシに不満はない。チヲカテトスルモノの祖と共に、飽くなき欲望が発する人間の純粋で激しい感情を弄ぶことにもだ。そうしながら現代まで、持ちつ持たれつで楽しく生きて来た。言うなれば、ヌシはチヲカテトスルモノの祖そのものなのだ。そこに真理を思い、アスカは話の続きに耳を傾けた。 「チヲカテトスルモノの祖には魂の選別が出来ないんだよ、時代に求められた救いがすることで、つまりお兄さんだね、こっちはまったき闇に落とすだけだからさ、選んで取り出すなんてこと、考えてないもん、救いなんて元から興味ないし、出来ないからって少しも悔しくないけどね」 「こっちだって少しも嬉しかねぇぞっ」  落ちこぼれの用なしにした張本人に救いと言われても、苛立つばかりだ。それでアスカは語気を強めてしまったが、ヌシに乗せられてなるものかと、すぐに気持ちを抑えた。

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