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美少年顔に?
「おいっ」
アスカはヌシを呼び止めた。冷静になれたのだ。何が重要かも見えて来る。
「そう急ぐなって」
アスカにはまだ知りたいことがある。チヲカテトスルモノが協力するというが、その遣り方の説明がまだされていないのだ。ヌシにすれば、自然界の精霊にでも聞けという思いなのかもしれない。しかし、自然界の精霊は口が重い。というより、漠然として要領を得ない。人間が作り出した物に宿る精霊達となると、ろくでもない噂に終始して、聞くに堪えない。そこを指摘でもした日には、一段と熱を帯び、さらなる喋りに興じて行く。となれば、時間の無駄排除と、アスカの頭痛回避の為にも、こまっしゃくれたクソガキを相手にすべきところと言える。それでアスカはヌシに向けて、簡潔にこう問い掛けた。
「まったき闇、どこ?」
「え……っ?」
ヌシの声音は大人びていた。それでも類い稀な美少年顔に微笑みを浮かべ、可愛らしい仕草で子供っぽく首を傾げてみせていた。
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