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それが見えた?

 アスカには合点が行く答えだった。その為の転生だ。女が絡んでいない方がおかしい。それでも〝俺は俺だ〟と思うアスカの苛立ちが顔に出る。そういった不満も含めて、青年を喜ばせたのは確かなことだ。青年は甘ったるい声音にも愉悦を乗せて話を継いでいた。 「僕の魂は迷わず向かったけれど……」  にもかかわらず、男の小姓をしていた五人の魂と同じように、現世の記憶に囚われ、時間を無駄にし掛けたというのだが―――。 「魂にも思いはあるからね、本当に焦ったよ」  そうした状態にあった青年の―――謀叛を起こした家臣の魂を救ったのがそれと、女を指すかのように再度アスカの胸の辺りに手を振りつつ、楽しげに言った。さらに指先に溢れさせる余裕に沿って微笑みを広げ、好青年らしい爽やかさで続きを話す。 「まさにお陰といったところさ、あの方への執着が手放せなくて、必死に探し求めていたからこそ、焦りに曇っていた僕の魂にも、それが見えたのだものね」

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