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理想とした形で?

 能力者といっても様々だ。というのに、女の魂がどういった選択をするつもりでいるのかは、青年の―――謀叛を起こした家臣の魂には問題ではなかったようだ。現世で敵対した魂であっても、行くべき場所においては関係ない。親しげに語らうのも有りなのだが、青年の魂はその必要を感じないでいた。男を思ってのことであるのなら、自ずと知れると、誇るような調子で続けていた。 「魂にかかわることだしね」  霊媒として認知されたアスカと対面しているのだ。自ら下した結論に僅かな疑問もいだきはしない。女の転生を見極め、魂の自由意志でもって、男の子孫を名乗る一族に霊媒として生まれ落ちることにしたと、満足げに話す。 「っうか……」  女を探し出すのには手間取ったようでも、男に関しては容易だったと、アスカにもわかる。一族が欲した黄金のせいとはいえ、運には恵まれた。そうしたアスカの思いを、青年がこう言葉にする。 「僕の理想とした形で転生出来たよ」

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