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なんも出来ねぇ?

「で、偶然にも……」  アスカはにやりとし、続きを言った。 「俺に出くわしたっう訳よ」 「そうなるね」  青年も穏やかに微笑み、話を継ぐ。 「たった一日でここまで来れたこともだけれど、馬鹿な五人組にも出会えたし、しかも今生が人間上位の世の中で、あの方がモンスターだなんて、それより何より、あの方を救おうと霊媒に転生したはずの君が低能な占い師でしかないなんて、僕が運を独り占めしたようなものだからね」  その運も尽きたと教えてやりたい気もしたが、アスカは口にしないでおいた。言ってみても信じはしない。代わりに、青年の偏執じみた計画に追随してやった。 「ああ、だな」  自己陶酔的な運に歓喜し、人間に―――青年に手を出せない男に、慈悲を求めさせようという青年の思いに納得してみせたのだ。 「あんた、言ってたもんな、野郎に見詰められながら俺と遣り合うってよ、マジクソ、人間上位の世の中じゃさ、俺に何しようが野郎にゃなんも出来ねぇし」

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