973 / 977
悠々と笑う?
「っても……」
今の時点では、青年の魂に格の違いが現れていたとしても、目立ったものではないだろう。一度や二度、転生を個人的な欲望に使ったからといって、自由意志の剥奪にまで至りはしない。ましてや、まったき闇の蓋が開けられることもない。
「好きにしろってか?」
アスカはせせら笑うようにして続けた。そして男を思い、苛立たしげに言葉を繋ぐ。
「クソったれがっ」
アルバイト風山男とくんずほぐれつして、目くるめく愛欲の炎に濡れるつもりでいるアスカにとって、由々しき事態でもある。思えば、今頃はルンルンな日々に向けて、あの手この手でアルバイト風山男を口説いているはずだった。それを前世とやらの因縁で、こうして邪魔をされている。
「ったくよ」
女が立てた魂の計画はアスカも理解することだ。しかし、今世はアスカのものであり、人生の選択権もアスカにある。それが目の前で悠々と笑う青年には、死んでも理解出来なかったということなのだ。
ともだちにシェアしよう!

