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価値はある?
「クソがっ」
とはいえ、自覚する気のないアスカにすれば、ヌシへの返しもその一言に尽きた。モンスター達に特別と言われはしても、中身は人間であってモンスターではない。その証拠に、まったき闇が別荘の下にあるのならと、床をぶち抜いて物理的にこじ開けようとした。自然界の精霊のみならず、ヌシにも動いてもらうには、人間の誰もが持つ能力を最大限に生かすより他ないと思えたからだ。人間相手では、そうした身を粉にした行為は称賛される。アスカがしたことになぞらえれば、〝値千金の黄金の足〟と称えられて然るべき行為と言えていた。
「あたい?千金……の足?」
そこだけ口に出していたようだ。意識にもにやつくような緩みを浮かべたせいか、ヌシに聞き返されてしまった。それもアスカには都合のいい展開だった。まったき闇の開扉の鍵となった足を自慢してやれる。
「値千金の黄金の足、俺の足が闇の扉を開けたんだ、そんくれぇの価値はあるってもんよ」
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