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自業自得?

「だからね」  どことなく感心するような口調に変えたヌシが、それでも笑うようにして続けた。 「お兄さんが〝値千金の黄金の足〟で闇の扉を開けたと同時に、ちゃんとあいつの胸から取り出してたよ、だから心配しないでよ」 「なら……」  さっさと済ませて戻ろうと、アスカは返した。〝値千金の黄金の足〟の何が面白いのかはわからない。ヌシには面白いことでも、立派なものと思うアスカには不快なだけだ。そうした歪な楽しみに付き合う義理もない。兎に角、ヌシに構って、まったき闇に長居をしたくないのだ。ヌシへの腹立ちで無視出来ているが、闇にうずくまる魂のどんよりした思念の数々が、気になって仕方ないアスカではあった。 「怖いの?」  アスカが黙り込んだからかもしれない。ヌシが柄にもなく気遣いを見せて、問い掛けて来た。それには無視せずに答えた。 「怖かねぇ、静か過ぎて、気色悪ぃんだよ」 「自業自得、みんなわかってる、何したって無駄ってのもね」

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