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優しくある?
うずくまる魂の数々を救い出せるのは、アスカのような能力者が誕生した時期に限られる。それが魂の数々にはわかっていないようだった。アスカには不快でしかない場所にあっても、ヌシが楽しくしていられるのは、そうした魂のズレた認識に理解を見せているからだろう。魂の数々は叶うはずもない願いに縋って、自ら望んで闇に溶け入っている。ヌシが面白がるのは当然という訳だ。
〝自業自得、みんなわかってる、何したって無駄ってのもね〟
事実、魂の対となる相手を探り出さないことには、アスカにも救う術がない。だからこそ、魂の数々はヌシに求められる日を夢見て、まったき闇にひっそりと媚びるように潜んでいる。この星から光がなくなるのと一緒に、消え去る運命にあると把握しないまま、ヌシに救われたがっている。
「クソ……が」
光と闇は表裏一体だ。時に光が厳しくあるように、時に闇が優しくある。その深淵としたぬくもりに惑わされ、救いを求めるのだ。
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