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出来ねぇんじゃな?
「で……」
アスカは男に聞いてみることにした。子狼の魂が青年の肉体に宿ったその瞬間、アルファにとって長年の懸念であった魂の救出が終わった。となると、次に気に掛かるのは―――。
「クソガキはどうしたのよ?」
「あやつは引き際を心得ている、間を置かずして姿を消した」
「久し振りに顔を合わせたっうのにか?」
自らの選択を否定することになるからだろう。可愛い〝あの子〟のアルファが相手でも、ヌシが許しを請うことはない。
「やっぱ、クソだな」
ヌシは身勝手にも可愛くて仕方ない弟を自分と同じ悠久の時に引きずり込んだ。しかも無関係の子狼の魂を犠牲にした上での願望だった。救い出せたとはいえ、アルファにしてもそう簡単に許せる話ではない。
「ったくよ」
そうした事情を理解しながらも、アスカは敢えて口にした。
「クソガキもさ、ちょいと泣きを入れて、アルファの気を引くっう見え見えな芸当が出来ねぇんじゃな、この先、何百年生きようが……」
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