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何故かそこに?
〝その魂は人狼にある、だが……〟
そう続けた野太い声に、僅かばかりの軋みが浮かんだ。そこにはアルファの子狼に対する遣る瀬ない思いが隠されているのがわかる。意識に直接響いているせいもあるようだ。そうした機微な揺らぎさえ、アスカには感じ取れてしまうのだった。
〝肉体は大人であっても、精神は子狼としての成長のみ〟
それはアルファが得た人生の逆を示唆する言葉と言えるだろう。胸に子狼の魂を宿したからといって、青年の肉体が人狼になる訳ではない。それでも子狼の魂は救われた。モンスターは長寿というだけで不死ではないのだ。彼らにも死後において行くべき場所がある。
〝私が生かされた時間と比較するのなら、瞬きする程度の人生しか与えられないが、この子の最期の瞬間まで、愛を持って、大切に面倒を見るつもりでいる〟
そして感謝の思いを残しつつ、何故かそこに名残惜しさをも感じさせながら、アルファの声がアスカの意識からすっと消えた。
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