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ヴァンパイアらしく?
「……っ」
アスカには返す言葉がなかった。意識内に再生された喋りは過去の事実だ。それ故に一方的でもある。疲れたとばかりにソファに腰掛けようにも、聞き終わるまでは許されない。むかついてならないことだが、それでもソファに尻を着けた時には、アスカの片頬はほんの少し笑いに緩んでいた。
アルファは闇に恐怖がある。形振り構わず男にすがり付くくらいに恐れている。というのに、ヌシが現れた途端、アルファとしての矜持を優先させた。臆することなく堂々とし、それはヌシが立ち去ったあとにも続けられた。肩に担いだ子狼の手前と思えなくもないが、笑える状況でしかなかったようにアスカには思えた。
その皮肉めいた笑いと一緒に、アスカは足を広げてソファの背もたれに背中を預けた。自然と顔が上向いて、突っ立ったままの男を眺め遣ることになる。男は所在なさげに見えた。というより、ヴァンパイアらしく無表情で微動だにせずといったところのようだ。
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