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人間だったら?

「けど……」  男が話す内容が理に適っているとしても、アスカには納得が行かないことだった。仕事が立て込んだ父親に合わせて、この週末には母親も別荘に来ないことになっていた。そうはっきりと言われていたのだ。それが何故にと呟くアスカに答えようとしてなのか、男はこう続けていた。 「父君のお陰ぞ」 「オヤジ?」  鷹揚に頷く男の話で理解したのは、要するに、母親に甘い父親が独断で動いた結果であるということだ。仕事がうまくさばけそうとわかり、父親は直接こちらに向かうと出先から連絡を入れた。それで母親は取る物も取り敢えず、電車とバスを乗り継いで、モンスターカフェから別荘まで徒歩となるのも気にせずに、足取り軽く出向いて来た。 「で……」  息子の起床に男を差し向けた訳だが、その繋がりがわからない。確かに洒落たスーツ姿の男は見栄えがいい。比類ない美貌にしても不審者には程遠い。しかし、そうした外見も人間だったらという条件が付く。

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