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兄貴と呼んで?

「あんな、あんな……」 「狭い庭に……か?」  アスカの驚きを当然として、男が代わりに言ってくれたことに、アスカはこくこくと素直に頷いた。突飛過ぎて思考が停止し、男から事情を聞き出そうにも言葉が出て来ない。間抜け面を晒すことしか出来ないが、それが男には気の毒に映ったようでもある。今こそ、からかって楽しんでやりたいところのはずだが、男は麗しい顔に浮かべる雅やかな微笑みをさらに華やかなものにしながらも、余計なことを口にせず、すんなりと会話を先へと進めてくれていた。 「フジが話を付けたこと故、詳しくは知らぬのよ、君の意向に沿ったと報告されたしな、だが、我が屋敷の庭師でもある山男が、以前より生垣迷路に執心していたは知っておった、我が屋敷の庭にとの頼みを、幾度となく断っていたのでな」  アスカは記憶を探り、そして思い出した。男の屋敷のクソ庭師の山男が、フジが兄貴と呼んで慕うナギラの偏屈者の従兄弟ということをだ。

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