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男は平然と?
「ああ……」
アスカは忸怩たる思いで続けた。
「……クソっ」
フジに相談したのが失敗だった。薄々不安ではあったのにと思うと、恥ずかしくてならない。フジは有能であるからこそ万能で、巧みに抜け目なく立ち回る悪賢さをも隠し持つ。変態屋敷のガラス花器一杯に生けられた深紅のバラも、モンスターカフェの密林じみた種々雑多な観葉植物も、顧客の好みに合わせたものではなかった。兄貴と呼んで慕うクソ庭師の趣味嗜好を吟味し、顧客の依頼をややお袈裟に表現させるといった落としどころでしかなかった。今回はそこにフジの願望も加えて、すり合わされたと言えそうだ。
〝君の意向に沿ったと〟
男もフジにそう報告されたと話していた。となれば生垣迷路には花があるはずと、そうした疑問が言葉となって、アスカの口からこぼれ出た。それを耳聡いヴァンパイアが聞き逃したりはしない。
「入口と出口に……」
男は平然と、しかも楽しげにアスカの疑問に答えてみせた。
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