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第4話(ライリー)
グラスゴー博士のオフィスを出て1人になれる場所を探す。
「機関室なら誰も来ないかな」
グラスゴー博士には申し訳無いけれど、僕の心はまだエージェント•ワイルドでいっぱい。
こんな強烈な片思いは久しぶり。
そして失恋も。
自分で言うのもなんだけど、僕って見た目が良いから失恋なんて経験値が低いんだよ。
彼とは最初は挨拶する程度。
少しだけ話すようになったキッカケは半年ぐらい前にエージェント•ワイルドが怪我をして医務室へ来てから。
あんな魅力的な男は見た事ない。
強くて、逞しくて、優しくて、美しくて、品がある。
こんなに好きなのに。
悔しい。悲しい。恋しい。辛いよ。
涙が溢れては流れ出し止まらない。
「スティーブ、、、うっうっ」
鼻水も止まらないかも。
ずるずる。ずる。ずる。
「おいおい、汚いな。大丈夫か?ホラ」
「え?」
突然、物陰から人が出てきて僕にタオルを渡してくれた。
「誰?」
「マイヤーズ。俺だ、知ってるだろ?」
「マイヤーズ隊長!どうしてここに?」
「お前と同じ理由だよ、1人になれる場所を探してた。機関室なら朝まで誰も来ない」
ブレッド•マイヤーズはWIAの戦闘チームa(アルファ)の隊長。
黒髪の短髪、二重の強い瞳、筋肉質な身体に、いっつも偉そうな態度の苦手なタイプ。
確か28歳で戦闘力はレベル5。たまに怪我をして医務室に来るから顔見知りだ。
「お前、エージェント•ワイルドに惚れてたのか?」
「ちょっ聞いてたの?」
「仕方ないだろ俺が先客だ」
「も〜本当に最悪」
「医務室のスイーツをフルなんてエージェント•ワイルドもバカだな」
「何、それ」
「WIA一の美少年、医務室のお菓子(スイーツ)博士は高嶺の花」
「誰がそんな事を」
「皆んな」
「そう。いくら皆んなに美少年だの高嶺の花だの言われても意味無いから」
僕が欲しかったのはスティーブ•ワイルド。彼だけ。
「まあ、ヤケ酒の相手が欲しくなったら声かけろ」
マイヤーズは頭をポンポンと優しく撫でてから外へ出た。
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