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第5話(クリス)

ピピピピ ピピピピ 予めセットしておいた目覚ましがAM5:30を知らせてくれた。 ちなみに、デスクに置いているライトも予めAM5:00から徐々に明るくなるよう設計してある。 窓の無い部屋で寝起きする事になるから、朝日のように徐々に明るくなる照明で人口的な漸増光を作って脳を目覚めさせようと思って。 「おはよう」 誰も居ない部屋で、壁に向かって挨拶するのも僕の日課。 今日は僕のWIAニューヨーク支部での勤務初日だ。 僕は地下6階でシャワーを済ませて着替える。 食堂へ向かうと数人のエージェントが既に朝食を食べていた。 自分の分の朝食をトレーに乗せて席に着くと、一口食べた所で目の前に人が座った。 「あんた、グラスゴー博士?」 なんか、目つきの悪い黒髪の男だ。 「そうだけど?」 「俺は戦闘チームaのマイヤーズだ。見てもらいたいものがある」 通信機の画面には数人の女性の遺体だ。 僕食事中なんだけど。 「つい数時間前、俺のチームの小隊が武器商人ジョンソン•ミラーの倉庫へ違法な武器の押収に向かった。 その時に倉庫から見つかった遺体だ。 今から一緒に現場に来てくれ」 「遺体はWIAに持ち帰ってくれたら医療班が検死解剖してくれるよ。僕がわざわざ行く必要が無いと思うけど?」 「それが、見つかった遺体の中に変なモンがあったんだよ。ハワード支部長から変なモンが見つかったら、あんたに聞くように言われたんだ」 「変なモン?」 「ああ、遺体は全部で四体。内、三体は10代〜20代の女性で身元照合中。 最後の一体はベッドで人工呼吸や色々な医療用機器に繋げられいた。見たこともない装置も沢山あった。 この写真ではどう見ても老婆のミイラなんだが、チームが到着した時にはまだ20歳ぐらいの姿で、急激に老化し最後はミイラ化したらしい」 「急激に老化?早期老化のプロジェリア症候群でも数分で老婆にはならないよ。 しかも目の前でミイラ化となると水分を人体組織の50%以下に一気に下げる必要がある。ありえない」 「だから、お前を連れて行くんだよ。ハワード支部長には許可を貰ってる」 「分かったよ、朝ごはん食べてから荷物を取ってくる」 出勤初日にオカルトな現場か。流石、ニューヨーク支部。 「今すぐだ」 「朝ごはん食べないと脳の働きが悪くなるよ」 「お前の脳は働きが悪くても、俺より何倍も優秀だろ」

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